マンデイモーニング 第5話

   妻に家を出ていかれてからというもの、僕は放心状態に落ちいっていた。

そんなことから毎日僕は酒に助けを求めるようになる。次第に酒がなくては生活できなくなり、仕事もくびになった。ただただ酒を飲んでは眠り、目が覚めると極度の自己嫌悪に襲われ、また酒に助けを求めるというルーティンから抜け出せずに重度のアルコール依存症に陥っていた。それからしばらく時が経ち、ようやくそんな僕の状況を知った実家の両親に連れられ僕は病院に入院することになる。

  入院してからは、酒のない生活が始まった。酒だけが支えだった僕にとってこの生活は地獄に値するものだった。人はどんな時でも何かに支えられて生きている。というより、何か一つでも自分を支えてくれるものがないと人は生きる意味を見出せない生き物かもしれない。酒という最大の拠り所を失った僕が新たな拠り所としたのは一人の看護師だった。彼女はまだ若く、この病院に入ったばっかりのようだった。いつも笑顔でどんなに苦しい時も彼女がくると心がスーっと楽になる気がした。次第に色んな悩みや自分の過去を彼女に打ち明けるようになっていった。その度、彼女は僕の全てを優しく包み込んでくれた。僕も彼女の職場での苦労や悩み等を聞いてあげた。

  そんな毎日を過ごす中で、いつしか二人の関係は看護師と患者から恋人へと変わっていた。その時には、酒の事なんて忘れるくらいに僕の状態も回復していた。退院してからも僕たちは順調に愛を育み結婚に至った。彼女と出会ってからというものモノクロの世界は虹色のキャンパスへと姿を変え、毎日が幸せに満ち溢れていた。当然、結婚してからも、そんなどこにでもあるけど2人だけにしかわからない幸せな毎日が続くと思っていた。それは、結婚式を挙げてからわずか3日目の出来事だった。